近年,インターネットの利用は,重度視覚障害者の自立的な社会的コミュニケーションを支援する強力な道具となっています。しかしながらその利用には少なからぬ課題があり,Webアクセシビリティとしてしばしば話題となっています。その課題の1つがPDF文書へのアクセシビリティです。
そこでまず,既存のスクリーンリーダでPDF文書へどの程度アクセスできるかを検証しました。その結果,検証時点(平成15年6月〜9月)では改善が進んでおり,3種のスクリーンリーダでPDF文書を音声化可能なことを確かめました。ただし,スクリーンリーダごとに使い勝手の良い点,悪い点が随所に見られました。
検証では,音声化はされるものの,テキストの読み上げ順序が見た目(レイアウト)から変化し,文書の内容を理解することさえ困難になることもありました。その原因は,スクリーンリーダではなく,PDF文書をタグ付きにするかどうかにあることを確かめました。そして,タグ付きPDF文書の作り方,更に,PDF Makerでタグ付きとした後に,Acrobatでタグを修正してやることで,よりスクリーンリーダでアクセスしやすいPDF文書を作成できることを検証しました。
詳しい内容は,下の発表論文に記述しています。
Last updated: 2006年 1月23日
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