令和3年度卒業研究テーマ

■ 研究テーマ一覧

学部4年生


■ 立体コピー触地図作成支援Webアプリケーションの改良(江口 茉奈美)

TM-Drawの様子

 本研究室では, 触地図を作成しやすくするため立体コピー触地図作成支援 Web アプリケーションを開発し活用してきた. しかし, 屋外触地図向けのスタンプの不足, 操作方法の独特など, 改良すべき点がいくつかある. そこで本研究では, 上記の点を改良したアプリケーション TM-Draw を開発した. ドローソフトを用いて触地図を作成する際, 手動で線をトレースすることに最も多くの時間がかかる. そこで本研究ではラスター画像から道路などの線を自動的に抽出してベクトル画像へ変換できるツールを作成し, TM-Drawで編集できるようにした.



■ 感染防護服の着用が疲労に及ぼす影響についての研究(柴崎 拓哉)

感染防護服を着用した参加者の様子

 本研究では,感染防護服の着用による疲労と,防護服内に着用するクールベストの疲労軽減効果について,自律神経活動の指標を中心とする客観的指標と,アンケート結果を集計した主観的指標を用いて評価した.その結果,自律神経活動の指標から,防護服の着用により作業時に疲労が蓄積し,安静時に十分な休息が得られないことが示唆された.この原因は防護服の着用により熱の放散が妨げられ,被服内環境の快適さが損なわれてしまうためだと考えた.さらに,クールベストの着用による疲労軽減効果はわずかであると考えられた.この原因は他の部位よりも温度が高かった腕部と首を冷却していなかったことで被服内環境の快適さが損なわれてしまうためだと考えた.



■ 点字の表示桁数の違いが触読速度と触読動作に与える影響-点字熟練度による違い-(澁谷 拓末)

参加者が点字用紙と点字ディスプレイで点字を読む様子

 本研究では,点字熟練度の異なる視覚障害者に点字ディスプレイと点字用紙の両方で点字を触読してもらった.その結果,点字熟練度の高い人ほど,点字用紙に比べて点字ディスプレイで触読時間が顕著に長くなった.その理由は二つ考えられる.まず一つ目に,点字用紙では両手2行読みという最も効率よく触読する動作ができるが,表示部が1行のみの点字ディスプレイではこの動作ができないためである.二つ目に,点字ディスプレイでは行替え時にキー操作を行う必要があるので,点字読み以外の手の移動時間が長くなるためである.



■ 振動型盲ろう者向け目覚まし時計(高橋 光)

開発した目覚まし時計の外観

 本研究では,盲ろう者が自力で使用可能な目覚まし時計の開発を行った.その特徴は三つある.一つ目はGPSによって時刻の自動修正を可能とすることで,時刻を設定する必要をなくしたことである.二つ目は長い振動と短い振動によって数字を表現することで,入力したアラーム時刻を盲ろう者が確認できるようにしたことである.三つ目は振動子をリストバンドに入れることで就寝中に振動子が体から離れないようにしたことである.



■ 点字ディスプレイを用いた文字表示システムの開発(柳田 尚吾)

点図ディスプレイで漢字を表示している様子

 本研究では,点図ディスプレイに触知可能な点線文字を表示するシステムを開発した.表示方法は,表示したい文字をキーボードで入力する方法と,仮名漢字変換機能で出てこない文字を表示するための一覧表から選ぶ方法の2種類である.点図ディスプレイに送信するデータの作成作業を簡易にするため,点図データ作成ツールソフトウェアを作成した.作成した触知文字を視覚障害者に触ってもらい,文字の認識のしやすさと文字データの改善点について意見を得た.その意見をもとに文字データを修正した.



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Last updated: 2022年2月4日
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