令和元年度卒業研究テーマ

■ 研究テーマ一覧

学部4年生


■ 触知記号の形状の違いによる探索非対称性(伊森 賢仁)

触知記号を手で探す実験の様子

 触覚探索において,刺激のテクスチャの違いにより探索非対称性が生じるということが先行研究より分かっている.しかし,触地図に用いられる触知記号の形状の違いによる探索非対称性については明らかになっていない.そこで本研究では,同じ素材で形状だけが異なる二つの触知記号を用いて,標的刺激と妨害刺激の役割を入れ替える触覚探索実験を行った.その結果から触知記号の形状の違いにより探索非対称性が生じるかどうかを検証した.



■ 盲ろう者向け目覚まし時計の開発(小林 由乃)

タイマーの液晶表示部の画像

 一般に目覚まし時計には,設定時刻になると音で知らせる機能があるが,聴覚に障害を持つ盲ろう者が使用するのは困難である.盲ろう者が使用する目覚まし時計として,時刻自動修正機能に加えて盲ろう者が独力で起床時刻を設定できる機能を有するものは見当たらなかった.本研究では,時刻が自動修正可能で,振動フィードバックにより盲ろう者が独力で起床時間を設定できる目覚まし時計の開発を目指す.



■ 点図ディスプレイを用いた視覚障害者向けリズムゲームの開発(佐藤 丈瑠)

触覚ディスプレイ上のゲーム画面

 一般的に普及しているコンピュータゲームは視覚的に表現しているものが多く,視覚障害者が楽しむことは困難である.そこで,本研究では点図ディスプレイを用いて,視覚障害者が遊ぶことのできるゲームを開発した. ゲームのジャンルは,単純な操作である点と視覚障害者にとっても親しみのある音楽を用いるという点からリズムゲームとした.晴眼者にこのゲームで遊んでもらい,娯楽性を評価してもらった.



■ 触知楽譜における音符形状とサイズの検討(高信 朝仁)

触覚音符の画像

 楽譜は視覚的に表現されるため,全盲の視覚障害者が譜面を理解するのは困難である.そこで,譜面を触知できるように立体音符モデルを3Dプリンタで作成した.  本研究では,サイズが異なる様々な形状の触知用立体音符モデルを視覚障害のある参加者に触ってもらい,よりよい形状とサイズを検討した.



■ AIカメラを用いた信号検出器の開発(立川 瑠司)

AIカメラが信号機を認識している様子

 視覚障害者が安全に街を歩けるよう音響式信号機が導入されているが,近隣の住民に配慮するなど音を出せない環境もある. そこで,視覚障害者が信号機を見つけ,その色がわかるようにするため,携帯型の信号検出器を開発した.デバイスには近年市場に出たAIカメラを採用し,検出ソフトウェアの作成には機械学習を用いた. 本研究では,作成した信号検出器の認識率を閾値を変更しながら検証した.



■ 地図の配色が色覚異常者の経路探索に与える影響(成田 岳人)

配色を変更した地図

 スマートフォンなどで用いられるオンライン地図は,道路と背景の配色が似ているうえ,地図の配色を変更することができない.このため,色覚異常者が使用した場合,配色が原因で経路探索が困難な状況が発生する可能性がある.そこで,利用者自身が道路や背景の色を変更可能なオンライン地図を作製した.このシステムにより,色覚異常者の地図の見やすさを改善できるかを調べるため,配色を変更した地図と一般的なオンライン地図を模したサンプル地図の間で経路探索に要する時間と距離を比較した.



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Last updated: 2020年6月13日
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