視覚障害者のために,教材,地図,建物案内,美術館・博物館展示物の案内,絵本などの触図を作成し,配布または貸与している機関が英国にあります。そのうち,NCTD(National Centre for Tactile Diagrams),RNIB(Royal National Institute for the Blind),LPT(Living Paintings Trust)の3つを見学しました。このとき調査した情報と各機関のWeb情報を元に,各機関の目的・サービス・構成・資金,及び,触図作成の方法・留意事項などについてまとめました。
NCTDは統合を目的として触図・点字印刷のほかに,一般印刷,拡大印刷の各媒体を用意しています。サービス対象は機関,教育,個人です。触図は,立体コピーとサーモフォームを主として使っています。
RNIBでは,地図や美術館・博物館展示物の案内図を立体コピーで製作し個人に配布しています。触図作成の注文は担当者が電話で受けます。
LPTは,絵画,教材,絵本をサーモフォームにて作成するとともに,図を説明する聴覚資料(カセットテープまたはCD)を一式としたパックを貸与しています。英国及びアイルランド居住者であれば誰でも無料でサービスを受けられます。
3つの組織に共通しているのは,資金は外部の助成金・献金によること,触図の原図(型)の作成は専門のデザイナーが担当していること,触図の評価は使用者の意見により,成文化された触図作成のガイドラインはないこと,教育的・文化的統合のため,全盲だけでなく弱視者も対象としていることなどでした。
詳しくは,下の発表原稿をご参照下さい。
Last updated: 2006年11月27日
Copyright (C) 2004-2006 渡辺哲也