視覚障害のある児童・生徒に仮名やアルファベット1文字を伝える際に,その仮名やアルファベットを含んだ単語を使って聞き取りやすくする方法があります。これを「フォネティック読み(phonetic alphabet)」と呼びます。例えば「ア」ならば「朝日のア」,「G」ならば「ゴルフ(Golf)のG」という伝え方です。
このときに使う単語は,視覚障害児・生徒に馴染みのある単語でなければ正しく伝わりません。そこで,馴染みのある単語はどれであるかを,実際に児童・生徒に答えてもらう調査を通じて明らかにしていきます。その研究結果は,視覚障害者用のコンピュータ画面読み上げソフトなどに組み込まれ,児童・生徒らの教育現場で役立つこととなります。
アルファベットのフォネティック読みで使われる単語について,既存の単語と新しい候補単語を検証するための調査試験を平成19年10月に実施しました。その結果について,平成20年3月に北九州学術研究都市で開かれた電子情報通信学会 福祉情報工学研究会において報告しました。
仮名文字のフォネティック読みで使われる単語についても,既存の単語と新しい候補単語を検証するための調査試験を平成19年11月に実施しました。その結果について,平成20年7月に新潟で開かれた電子情報通信学会 福祉情報工学研究会において報告しました。
この研究は,宮城教育大学障害児教育講座青木・永井両先生との共同研究です。
参考に,既存のフォネティック読みとして,数種のスクリーンリーダで使われているNATO Phonetic Alphabetと総務省無線局和文通話表を紹介します。